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いじめのめ ~先生のお話~

お手紙を持たせたその日、すぐ、担任の先生は家までやってこられました。

お兄ちゃんも一緒に、先生のお話をうかがいました。

「いやぁ。あの、こういうことは前から僕も気になっていたので、
2学期になってすぐクラスのみんなに話はしたんですわ。
な?話したやないか。聞いてなかったんか?」

聞いてたのか、聞いてなかったのか、照れ笑いを浮かべて座っているお兄ちゃん。
ま、聞いてなかったんでしょう。

「君の名前は出してへんけど、わかるやろう?」

何も言えずに、笑いながら、首をかしげるお兄ちゃん。

「ちゃんと聞いとってや~。
まあ、何度か注意してるんですが、まあ、子どものことですから...ねぇ。」

「それに君もな、前から言うとるように、
鉛筆かじったり、ハンカチしゃぶったりしとるから言われるんや。
ハンカチしゃぶったりするとな、こうよだれが机の上とかに落ちたりするやろう。
だから、言われるんやで。」

「もう、今はやってないもん!ハンカチしてないもん!」

「じゃあ、なんかかじったりしてないか~?この間も...してて先生怒ったやろう?。
それに、そんな...君は友達いっぱいおるやろう。
ソフトボール、上手に、ヒットとかもいっぱい打って、みんな、『すごい!』言うてたやろ?。
休み時間に一緒に『あそぼ』言うて誘ってくれる子、ようけおるやろう。
学校終わってからも、毎日、遊んでるんやろ?
勉強かて、できるし、
(イヤ、先生、それは...。あの通知表を作成した人が、言うな~!!)
なぁ?」

「あの...先生...この子は、今、疑心暗鬼になってるんですよ。
自分が『臭い』のかどうか。
本当に『臭い』んですか?先生はどうですか?」

「いや!それはない。君は臭くなんか全然ないよ。臭いから言われてるんじゃない。
ああいうことを、今いったようなことを止めたらいいんや。
止められへん?だから、ちょっとずつでも直していこう。
君は臭くなんかない!な。わかったか。」

先生は、お兄ちゃんの手をとって、力強くおっしゃいました。
お兄ちゃんも神妙な顔をしてうなづきました。

まあ、ここまでは良かったんです。
本当に『臭い』のか、どうか。
それがお母さんにとって、おそらくお兄ちゃんにとっても、一番気がかりなところでした。
本当に臭いのに、「『臭い』と言ってはいけません。」とは言えませんから。
そうでないのに言うのなら、こちらの気持ちも違ってきます。

が、その後が、ひっかかってしまいました。


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いじめのめ ~先生への手紙~

久~しぶりに出てきて、
こういうお話は、どうか...とも思ったし、書かないでおこうと思ったのですが、
やはり書かずにはいられない。

この間、と言っても1ヶ月以上も前のことですが...
お兄ちゃんの担任の先生にお手紙を書いて、持たせました。
そのまんま、です。

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いつもお世話になり、ありがとうございます。

2学期が始まってから、事あるごとに、「学校に行きたくないな。」と言うようになりました。
夏休みの休み癖が付いてしまっているのかと思い、厳しく叱ったところ、
泣きながら、堰を切ったように、話し始めました。

「僕は我慢している。ずーっとずっと我慢しているんや。我慢して学校に行っているのに。」

一部の人たちを除いて、クラスのみんなが、女の子も男の子も、
自分の事を「臭い。」と言う。
「毎日ちゃんとお風呂に入っている。」と言っても
「ウソだ!」と言って信じてくれない。
大好きな○○くんも、僕のこと、そう言う。大好きだったのに、もうそう思えないようになりそう。
僕のこと、そんな風に言わない○○くんと同じ組だったら良かった。
ずっと前から、2年生のときから、ずっと言われてる。
最初は、僕が汗臭いのかな、と思っていたけれど。
自分以外にも二人、同じように言われている人がいる。

とのことでした。

多少の諍いはあっても、お友達が大好きで、楽しく学校で過ごしているとばかり思っていましたので、
どう受け止めてやれば良いのかわからず、抱きしめてやるばかりでした。

本当に、ほぼ毎日お風呂には入っていますし、
身につけるものも、必ず、洗濯をした清潔なものを、毎日着替えさせていますし、
子ども特有の、汗臭さや、学校の匂い等は、感じていましたが、
他のお子さんと比べて、息子が特別臭いと思ったことはありませんから、不思議でなりません。
信じられない気持ちでいっぱいです。

先生はどう思われますか?
学校で息子の傍によると、特別臭いですか?

同じ家で毎日生活している人間なので、わからないのかもしれない、と思い、
同じクラスのお友達のお母様にお願いして、さりげなくお子さんに聞いてみて頂きました。
そのお友達は、「臭い、なんてことはない。臭いから言われているわけではないと思う。」と言っていたそうです。

息子が、いつもお友達の間で、軽く見られている、悪く言えば、バカにされている、
と言う事は、学校の内外で、たまに見かける様子でわかっていました。
本人にも、幼くて、拙くて、だらしないところや、お行儀の良くないところ、正しく言葉で表現しきれないところ、
があって、多少のことは、止むを得ない、と思っていました。
本人も、たまにポロッとこぼすことはありましたが、すぐ忘れて遊んでいたりするので、
できるだけおおらかに考えよう、深く考えないようにしようと思っていましたが、
こればかりは、見逃せません。

本人は、何気なく、明るく振舞って、
笑われることが良いことのように思っているようなところもありますが、
こういうことには、確実に傷ついています。
「学校の中での自分」というものにどんどん自信を失くしていっているのは、
毎日の生活の中で気付いていました。

言っている子ども達のなかには、一緒になって、言わないと、自分が言われるかもしれない...
と思って同調している人もいると思いますし、本気ではない人もいるでしょう。
でも、その言葉を言うことによって、相手がどんな風に傷つくか、
もし、そんな言葉を自分が言われたら、どう感じるか、
を考えてみてもらいたいと思います。
「そういうことは言ってはいけない。」ではなく、
なぜいけないのか。
誰もがいつでも口にできる言葉というものの力について、
クラスみんなで考える機会を作っていただけたら...と思います。


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1番ショート よしつね...

1番ショート よしつね
2番セカンド よしみつ

何だと思います?

...続けます...

3番レフト    平らのきよもり
4番DH     とく川いえやす
5番ライト    よりとも
6番サ-ド    いえみつ
7番キャッチャー ごだいご天のう
8番センター   のぶなが
9番ファースト  ひでよし
P        ひでただ

答え...お兄ちゃん、旅行の移動中の暇つぶしメモ。

歴史上の人物で、野球チームを作ったら...だそうです。

わからない。全然わからないけれど、なんか面白い!
「P」ってきっとピッチャーのことですよね?
それが、よりによって「秀忠」って、マニアックだなぁ。
ぜひ、わが家の歴史の記録に残しておきたいなー、と思って、
お兄ちゃんのリュックサックのポケットから出てきたメモ用紙から、
書き写してみました。

そう。
お兄ちゃんは、今歴史に(と野球)夢中です。

お兄ちゃんは、見かけに全然よらず、なかなかの読書家なのですが、
何を読んでるか?
と言うと、
主に歴史モノ。
学研マンガがほとんどなんですが。
日本の歴史は一通り読んで、世界の歴史にも手を出したりしてましたが、
今は、また日本史に戻ってきました。

それも不思議と近代に興味がある...。
お母さんたちが、ほとんど詳しく教えられなかった、明治、大正、そして昭和に。

学校の図書館でも、「戦争中の人々のくらし」とか、表紙も地味な本を借りて帰ってきたり。

面白いですよねぇ。
お母さんが「さぁ、歴史を勉強しよう。」と思ったら、
つい、「弥生時代」くらいから始めて、やれ「大化の改新」だ、「鎌倉幕府」がどうした、
「戦国時代」はどうだ、「幕末」だ、「明治維新」だ、で終わると思うんですよ。

ところがお兄ちゃんは、どうも現代からさかのぼって歴史を見ている節がある。
自分の親がもう生まれていた時代(「昭和」もお兄ちゃん達には「歴史」なんですよねぇ。)、
おじいちゃんの時代、とさかのぼってる。

「明治」はともかく、「大正」、「昭和」はお母さんにとっては歴史の範疇にない...のに。

まだ、「歴史」というものを、学校で「勉強」していないからでしょうね~。

でも、そういう歴史の捉え方もあり、かな。
もしかしたら、その方が正しいのかも...。

ただ、お母さんもよくわかっていませんが、
「大正」、「昭和」は戦争ばかりで、悲惨な話も、非道なこともたくさんあった時代でもあって、親としては複雑です。
あまり私達が教わらなかった時代、でも知っておかねばならない時代でもあるから、
一緒に学研マンガを読んで、お兄ちゃんについていきたいなぁ、と思ってます。

ちなみに、
「お兄ちゃん、歴史に出てくる人の中で一番好きな人は誰?」と聞いてみたら、

「そんなん、『西郷隆盛』に決まってるやん!」と即答しました。

あまりの渋さに、絶句。
いや、すごい人だってのは、知ってるけど、具体的にはあまり知らないので、
あわてて、調べてみました。
確かに、日本史の中でも指折りの大人物だったみたいだし...、

「いや~、本当に偉い人だったみたいだね。
お母さん、もっと知りたくなったから、本買って勉強するわ。」

と感心していたら、

お父さんが一言。

「なんで好きなんや?」

慌てず騒がず、お兄ちゃんの一言。

「だって、あの髪型がかっこええんや!」

だって...。

はぁ~。


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3年生の読書感想文2

お兄ちゃんの読書感想文...。

すごいのが出来上がってきました。
有名な野球選手の伝記、を読みました。

彼の子どもの頃の友人の名を、ずらずらずらっと並べて書いています。
ある人は「さん」がついていて、他の人にはついていない。
人の名前と名前の間に、全然、点が付いていない。
『彼は代田で...』って、それは『代打』でしょう?

ええ、もうささいな事なんですよ。
段落が一つもないとか、話が前後しているとか、大きいところは見逃そうと思っていました。
でも、細かいところだけに、このまま提出させるわけには...いかないような...。

本人は「たくさん書いた!!」と大満足と言うより、大得意!
確かに、ちゃんと読んで、楽しそうに規定枚数以上に書いて、
褒めてやりたいのはやまやまなんです。
注意したら、怒るのは目に見えているし。

恐る恐る、
「お兄ちゃん。たくさん書けて偉いね。
でも、ここは、点を入れておかないと。」と言ったら、

「え~!なんで?」

「だから、日本語には決まりがあってね。」

「わかった。どこ?」

「こことこことここ。でもここに点入れるにはマスが足らないし...全部書き直した方が早いとお母さんは思うよ。」

「え~っ!!書き直すなんて絶対イヤだ!」

「でも、消しゴムで消していたら、余計に大変になるよ。」

「うわぁ~!!絶対書き直すなんてダメ!イヤだ!なんで書き直さなくちゃいけないの?!嫌だ~っ!」
と大泣きの大暴れで大変な騒ぎになりました。
いやもう大パニック!!
あまりにひどくて、落ち着かそうとしても手がつけられません。

ああ、やっぱり。
失敗したなぁ~。
こんなに不安定になるなら、放っておけばよかった...。

なんとか落ち着かせて、
「そんなにイヤなら、このまま提出しても良いけれど、そうすると恥ずかしい思いをすることになるかもしれないよ。それでもいい?」
と聞くと、

「うん。恥ずかしくてもいい。」と言うので、

結局、そのまま提出させました。

昔、児童文学者の方の講演会で、
「小学生のうちは、感想文なんて書けなくて当たり前。
小学生は、物語の世界を味わう、楽しむ時期で、能力的にもまだ無理。
読書感想文の宿題なんて、読書嫌いを作る原因になってる。
読書感想文は、お母さんが書いてやって下さい。」
とまでおっしゃってるのを聞いて、
なるほど!その通りかも。
感動を表現するのは、もっと後でもいいから、今はいっぱいお話の世界で遊んでいて欲しいな~。
というのが、お母さんの基本的な思いです。

が、本当に、これで良かったのかな。
甘やかしただけなのかな。
3年生にもなったら、泣いてもわめいても、きちんと教えるべきだったのかな。
学校の先生なら、あの感想文を見たら、直さずにはいられないだろうな~。

滅茶苦茶でも、楽しそうに書いていたお兄ちゃんの顔を思い出すと、
これで良かった...と思うのですが...。
先生はさぞびっくりされただろうな~。


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3年生の読書感想文1

読書感想文~。
はぁ~
...でございます。

小学3年生の作文って...どんなものでしょうかね~。

お兄ちゃんの夏休みの宿題。
昨年までは、必須でなかったから、避けて通れたんですが、
3年生は、必ず、提出。

本はね~、もぉ大好きなんですよ。
服を着替えながらでも、ズボンが片方にしか足が入ってなくても、
読みたい。
叱られなければ、
歩きながらでも、バスのなかでも、レストランの注文を待ってる時でも、
少しでも、時間があれば、
読みたい。
2週間に一度は図書館に行って、最低5冊は借りてくる。
学校でも、普段全く落ち着きのないヒトが、
「休み時間に本読んだりして...。」と先生が不思議そうにおっしゃってました。

がっ!!
「読む」と「書く」は別ですよねぇ。
読書感想文。原稿用紙3枚以上。
はキツイ!
お兄ちゃんにはキツすぎる。

毎日、一応夏休みの間は、日記をつけているので、
文章を考える、のは苦手じゃない。

が、決定的に問題があるのは、
文章を書く上での決まりごと、
題名を書く位置や、段落の分け方、丸はともかく点のつけ方、ひらがな、カタカナの書き分け、
が全然わかっていないこと。
その上、激しい誤字の嵐。
ん~、要するに国語力がついてない。
書き方がわかってない。

学校からもらって来てる、『読書感想文の書き方』のパンフレットには、
「誰かにお話しするように書いてみよう。」とか「こういう順番でかいてみよう。」とか
構成とか、内容のことばかりで、あまり役に立ちません。
そういうレベルじゃないって!
まあ、基礎的なことは、普段の授業でマスターしている、という前提の下、
出ている宿題だろうから仕方ないのでしょうけれど。

最初は、きっちり側について、
「ここは一マス空けて。ここは行を変えて。」
「ここは『が』よりも『は』が良いんじゃないの?」
とやっていたんですが、
キリがない...。
本人もいちいち指図されて、書き直すのもだんだん面倒そうになって、反抗的になってきて、お互いテンションが上がってきました。
こりゃあ、いかん!
まあ、彼が何を思い、どんな事を書くのか、を見てみたい。
というのもあって、
「自分の思ったとおりに書いてごらん。」と見守ることにしました。

書いているうちに、楽しくなってきたようで、
最初は、「3枚なんて、絶対無理!」と言っていたのが、
「お母さん、4枚でもいいの?」
「いいよ。3枚より多かったら何枚でもいいんだよ。」
「やったぁ~!書けないって思ってたけど、簡単かも。」
「あ、5枚になった!」

書く楽しさがわかってくれれば、それだけで十分だわ~。
とうれしく思っていました...。

が!!

「お母さん。できたよ。見てみれば?」と
自信満々、持ってきたのを見て...絶句...です。
もしや...とは思っていましたが、やはり...でした。
中身はともかく、「ま、いっか。」で済ませられない誤字脱字、文章の間違い。

これ、どうしたらいい?
どう少なく見積もっても、
間違っているところを、消しゴムで消して、直すくらいなら、一から書き直したほうが絶対早い。
本人は満足しているし、「書き直せ」と言ったら怒るだろうなぁ。
このまま、「よくやった。」と言って褒めてやる方が、お互い気持ちが良いんだろうけれど、
間違ったまま放置するには、ひどすぎる。
これを直すのが「勉強」なんだろうし。
でも、そう言ったところで納得しないだろうなぁ。

とわかっていたんですよ。
わかっていたんですが...。

(「3年生の読書感想文2」につづく...)


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